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知らないと競合に負ける!? CPIを劇的に削減する秘策とは?

いつもASO対策の教科書をご覧いただき、誠にありがとうございます!
今回はCPIを劇的に削減する秘策について、考察していきたいと思います。


モバイルアプリの広告効果、及びアプリ内部の計測手法として、MMP(SDKとも呼ばれる)を使用するのが一般的です。モバイルアプリのマーケティングに携わる皆さんであれば周知の事実だと思います。2025年2月にそのMMPの代表格の一つ、「Adjust(アジャスト)」での設定項目に非常に大きな変更がありました。

この大きな変更点を用いると、Apple Search Ads上で競合アプリに負けず、CPIを適正に削減できるという手法を、事例と共に紹介していきたいと思います。反対にこの方法を知らないと、競合に競り負け、CPIも高く見積もられる可能性が出てきてしまいます。

この機能は「Untimed Clicks(アンタイムド・クリックス)」と呼ばれる機能です。まずこれを用いた場合の結果を見てみましょう。

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Untimed ClicksをONにしたApple Search Adsの結果

また反対に、他MMPからAdjustに切り替え、Untimed ClicksがONになっていない場合はMMPの前後比較はどうなるのでしょうか?

こちらの検証データの事例もあります。この場合は反対にCPIが増加するという結果になっています。

以上の様に大きな変化が見られました。この結果は当然CPAやROASにも影響し、それぞれの割合でアプリ内部指標も改善され、事実CPAも大きく下がります。

なぜこの様な変化が起きるのか?

まず、下記の図をご覧ください。

この図はアトリビューションウォーターフォールと呼ばれる概念図です。様々なメディアがある中で「広告成果は誰のものか?」を決定することを「アトリビューション」と呼び、その「優先順位を決定」を行うことを「ウォーターフォール」という言い方で示しています。つまり端的に申し上げると、広告成果の優先順位を何を根拠に決定していくのか?を表した図です。
※アトリビューションに関しては「広告効果を計測しよう【入門編】」にも記載されています。

一般的にClickされたメディアの方が、Viewのメディアより広告成果(アトリビューション)が優先されます。例えば、一度ユーザーが閲覧した(View)広告よりも、クリックされた(Click)広告の方が、その広告の成果だと言うことができ、優先されるべきというイメージです。単に広告を「見た」という事実より、「広告に対してクリック等のアクションをした」という事実の方が重く、そのメディアの優先順位が高くなるべきという考え方からです。

上記の図から、Untimed ClicksがONになる前までは、クリック型のメディアであるApple Search Adsの優先順位が、Viewよりも低い優先順位になっているのがお分かりになると思います。ONにすることによって、クリックの方が優先される状態に「正常化」されています。

この正常化が、上記事例の様なCPIの増減や乖離の減少をもたらします。反対にAppsflyerでは、そもそも当初の設定として右側の優先順位の状態として設定されています。そのため、Untimed ClicksをONにしない限り、Appsflyerを使用しているアプリよりAdjustを使用しているアプリの方が、Apple Search Adsを過小評価している状態になっています。この是正が行われることにより、効果の平準化が行われ、その上でCPIの大幅な削減をもたらす、ということが今回の記事の趣旨になります。

Untimed ClicksをONにしない場合の影響

ではこの設定をONにしない場合の影響を考察していきたいと思います。

1.競合に競り負ける

まず大きな点としては、最もiOSで有望なマーケティングチャネルであるApple Search Adsにおいて、競合に競り負けるという自体が発生してしまいます。仮にUntimed Clicksをオフにしたままの状態の場合、本来CPCの入札単価を倍にしても効果が見合うのにも関わらず、CPCを自分たちの手によって意図せず低く入札してしまっていることになります。また、競合アプリがAppsflyerを使用している場合は、上記のアトリビューションウォーターフォールの影響を受けないので、適正に入札できている。この差が、結果的に競合アプリに遅れを取り、本来獲得できるはずのユーザーを他アプリへ持っていかれてしまうという状態になりかねません。

2.投資の機会損失~CPIを意図せず高く見積もる~

次の点として、投資の機会損失が挙げられます。ここはマーケティングに携わる方々にとってインパクトが最も大きいと言えます。Apple Search Ads自体は「検索」というユーザーの能動的な行為を元にした検索連動型広告であり、オーガニックユーザーと並び、ユーザーの質が最も高いメディアの一つだと言うことが言えます。根拠としては、下記のAppsflyer社のパフォーマンスインデックスを参照することができます。このランキングは、「ユーザーの獲得ボリューム」「ユーザーのリテンションレート」の2つを用いてAppsflyer内で算出されています。

先のアトリビューションウォーターフォールの概念から、予算額の意思決定を行う際にCPIを最大2倍以上高く見積もってしまっている可能性が存在します。先の事例の中には、投資機会の損失として結果的に年間利益にすると約5,000万円もの損失をしているアプリも見受けられました。その様な状況で、正しい媒体のアロケーションや予算配分が、経営層にとってもマーケティング担当者にとっても、非常に困難になると言えます。

3.オーガニック検索順位の上昇機会の損失

そして3点目はオーガニック検索順位の機会損失です。Apple Search Adsは私たちの記事「App Store検索ランキング上昇に必要なこと」でも触れた様に、オーガニック検索順位に大きな影響があるメディアです。Apple Search Adsの投資額が不適切に減るということは、間接的にオーガニック順位の機会を損失していると言うこともできます。この事実は、最もユーザーの質が高いと言われているオーガニックユーザーを取りこぼしていることになり、本来あるべきマーケティングパフォーマンスを意図せず下げていることにも繋がります。むしろこの機会に、適切にApple Search Adsに予算分配し増やす事で、オーガニックユーザーを増やす事も可能になります。事実、先述の事例では、予算を3倍以上に適切に増額した例も含まれています。

Untimed Clicksの設定方法

最後に、このUntimed Clicksの設定方法をご紹介します。

1.  Adjustにログイン
2.  「パートナー」を押下
3.  「Apple Search Ads」を選択
4.  下記画面の通り(赤枠部分)に設定

この様に、非常に簡単な手順で設定することが出来ました。

以上、AdjustのUntimed Clicksに関して紹介してきました。アプリのパフォーマンス観点からも、競合に打ち勝つ観点からも、マーケティングの予算意思決定部分からも、オーガニック観点からも非常に重要な設定項目だと私たちは考えています。設定することのメリットは多くあり、設定しない場合のリスクは何も無いので、参考にしていただけますと幸いです。




以上、今回は知らないと競合に負ける!? CPIを劇的に削減する秘策とは?というテーマについて進めてきましたがいかがだったでしょうか。
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それでは今回のまとめに入らせていただきます!

まとめ

✅Untimed Clicks機能をONにすることで、Apple Search Adsのクリックの優先順位が正しく設定され、CPIの削減効果が得られる
✅Untimed ClicksをONにしないと、競合に競り負けてしまい、投資の機会損失やオーガニック検索順位の上昇機会を失うことがある
✅AdjustでのUntimed Clicks設定は簡単であり、実施することで競合に対して有利な状況を作り出すことができる

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最後までお読みいただきありがとうございました。
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