【ASA広告運用】理想のキャンペーン構成
いつもASO対策の教科書をご覧いただき、誠にありがとうございます!
今回は私たちが考える「ASA広告運用の理想のキャンペーン構成」についてお伝えしていきたいと思います!
(*ASA=Apple Search Adsの略称)
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前提知識①〜ASA広告で一般キーワードをカテゴリキーワードと呼ぶ〜
本題に入る前に前提知識としてご理解いただきたい点から触れていきたいと思います。下図をご覧ください。
前提知識としてご理解いただきたいのがASA広告では一般キーワードを「カテゴリキーワード」と呼ぶ、という点です。
一般キーワードとは、例えば「セブンイレブン」や「ローソン」といったキーワードがあり、これらは競合キーワードである「コンビニ」という一般的なキーワードの一部です。そして、コンビニのアプリなどでは、図のように潜在層にアプローチするための「クーポン」とか「節約」といったカテゴリーがあります。
ここでのポイントは、「一般キーワード」という言葉の定義が広範であるため、今回はAppleの定義に合わせて「カテゴリキーワード」という言葉を使用しているということです。この「カテゴリキーワード」とは、具体的には「コンビニ」「クーポン」「節約」といったカテゴリーを表し、マーケターの皆さんが普段一般キーワードとして理解しているものとほぼ同じです。しかし、この言葉の意味を理解していないと、突然難しい言葉が出てきたような状況になりますので、Appleの定義としてご理解いただけると幸いです。
理想のキャンペーン構成はどれか?
理想的なキャンペーン構成について考える際に、広告を配信する構成は大きく3つに分けられます。上図をご覧ください。
まず、単体キャンペーンという構成があります。これは、広告を配信する際にキャンペーンを1つだけ作成し、その下に広告グループを作成し、さらにキーワードを含める方法です。例えば100キーワードあったら100個全部この1個のキャンペーンに詰めるというやり方になります。
次に、一般的なキャンペーン構成があります。これは、ブランドキャンペーン、カテゴリキャンペーン、競合キャンペーン、調査キャンペーンの4つのキャンペーンを作成する方法です。ブランド、カテゴリ、競合、調査というそれぞれのキャンペーンに対して、関連するキーワードを含めることで、広告の効果的な配信を行います。Apple公式でも記載がありますが、大枠としてこの4つの視点で分けて検討することで、キーワードをおおよそ網羅する意図があります。
最後に、私たちが推奨するキャンペーン構成があります。これは、基本的には一般的なキャンペーン構成と同じですが、カテゴリと競合をさらに細分化して行います。ブランド、カテゴリ、競合、調査の各キャンペーンをより詳細に分類し、それぞれに適したキーワードを含めることで、より効果的な広告運用を実現します。
これら3つの広告配信のキャンペーン構成があることを理解することで、適切なキャンペーン構成を選択し、広告の効果的な配信を行うことができます。
前提知識②~ASA広告キャンペーン分類~
ここでもう一つ前提知識としてASA広告のキャンペーン分類について触れておきたいと思います。下図をご覧ください。
ブランド、一般、競合、調査というキーワードのカテゴリ分けは、Appleの推奨として広く知られています。この分類は、広告運用を行う多くの人々が理解している概念です。基本的に、これら以外のカテゴリは存在しません。
ブランドキーワードと一般(カテゴリ)キーワードについては、ASA広告に関連して、完全一致で入稿してくださいと推奨されています。完全一致とは、例えば「ローソン」というキーワードを指定すると、それ以外の関連キーワードには広告が表示されないというものです。一方で、部分一致やサーチマッチといった言葉も存在しますが、これらは基本的には完全一致とは異なり、意味合いを広げて(例えばローソンというキーワードに対して小コンビニ等)幅広いキーワードに広告が表示される傾向があります。
このようにして、多くのキーワードに広告を配信することが可能となりますが、これはビジネス的にはAppleにとっても利益になります。ただし、部分一致やサーチマッチを多用すると、広告の効果が悪化する可能性もあるため、Appleは基本的には完全一致を推奨しています。
なぜAppleが完全一致を推奨するのかというと、部分一致やサーチマッチを多用すると、広告が関連性の低いキーワードに表示される可能性があります。関連性の低いキーワードに広告が表示されてしまうと、広告の効果が悪化する可能性があります。そのため、Appleは完全一致を推奨しており、部分一致やサーチマッチは調査の際にのみ使用するように勧めています。
次の項目からはそれぞれのキャンペーン構成におけるデメリットに触れていきたいと思います。
単体キャンペーンのデメリット~キャンペーン数と予算の関係~
まず単体キャンペーンについて触れていきたいと思います。下図をご覧ください。
単体キャンペーンのデメリットは、本当に効果のあるキーワードを特定するために多くの予算が必要という点です。
例えば、予算が40万円あるとして、キーワードが100個あるとします。通常、キャンペーンごとに予算が設定されますが、1つのキャンペーンに多くのキーワードを詰め込むと、予算が行き渡るまで通常時間を要してしまいます。
また予算が全体的にキャンペーン内のすべてのキーワードに割り当てられるため、一部のキーワードが他のキーワードよりも優れている場合でも、そのキーワードに適切に予算を割り当てることができません。結果として、有望なキーワードの探索や有効なキーワードの特定が困難になります。また、そのようなキーワードが見つかった場合でも、他のキーワードに予算が使われてしまっていることなどを背景に優先的に予算を割くことが難しい可能性があります。
この問題の解消には、キャンペーンを適切に分割することが有効です。そうすれば、有望なキーワードに適切な予算を割り当てることができ、広告効果を最大化することができます。
一般的なキャンペーンのデメリット~カテゴリと競合キーワード~
次に一般的なキャンペーンについて触れていきたいと思います。下図をご覧ください。
一般的なキャンペーンにおけるデメリットは、カテゴリと競合のキーワードの数が構造上多くなりキーワード分析やキャンペーン評価が困難になる点だと感じています。
通常、ブランドキーワードはある程度数が限られ、調査キーワードも広範囲に関連キーワードを含んでいるため多くを出す必要がありません。そのため、ブランドキーワードと調査キーワードを除いた残りのキーワードは、カテゴリと競合に分配されていきます。
実際のイメージでいくと、先ほどの100個キーワードがあるという話を例にすると、ブランド10個、調査10個くらいで、残り80個がカテゴリや競合に大量に入ってくる感じだと思っていただけるとご理解いただき易いかもしれません。
単体キャンペーンの項目で触れましたが、キャンペーン内のすべてのキーワードに予算は割り振られますので、結果としてカテゴリと競合のキーワードの数が増えると、先ほどの単体キーワードのデメリットと同じような現象が起こり、特定のキーワードに重点的に予算を割り当てることが難しくなって予算の効率的な使用が妨げられます。
また、カテゴリと競合のキーワードの数が増えてしまうと、カテゴライズの粒度が大きいため、キーワード分析が大雑把な傾向で行われてしまう可能性が高まります。そのためキーワード効果や優先順位を正確に把握することが難しくなります。
同様にキャンペーン毎の効果の評価も困難になります。特定のキャンペーンにキーワードが大量ある場合、そのキャンペーンがどのようなキーワードによって効果的になっているかを詳しく把握することが難しくなります。
この問題の解消のためには、4つのキャンペーンにするという方針は理に叶っているのですが、本来はもっとこの「カテゴリ」や「競合」のキャンペーンのキーワード数を分解し分析や評価を正しく行いやすくするという取り組みが必要になると考えています。
私たちが推奨するキャンペーン
そして私たちが推奨するキャンペーンについて触れていきたいと思います。下図をご覧ください。
私たちが推奨するキャンペーンの利点は、先ほどまでのデメリットを解消している点です。
具体的には「カテゴリ」と「競合」のキャンペーン数を増やしキーワードをボリュームを勘案して適切に配置していきます。このことで予算を無駄なく効率的に分配し、効果の高いキーワードに重点的に予算を割り当てることができます。
キャンペーンの構成が細かく分けられており、それぞれのキーワードに対して適切な予算が割り当てられるため、トラフィックが効果的に増加し、効果の高いキーワードの到達速度も速くなります。また、キーワード分析も迅速に行うことができ、効果の高いキーワードを素早く特定し、適切な調整を行うことができます。
片側で私たちが推奨するキャンペーンの唯一のデメリットは、その構成や運用が先ほどの2つのキャンペーンと比べると図左手のように細かく見ていく形のため手間が掛かることです。ある意味泥臭いやり方とも捉えられるかもしれません。キャンペーン数を適正にしようと思うと作業量が多くなり、調整を適切に行うために時間が必要になります。何をどうやって調整したら最適解なのかということに運用担当者は知恵を絞っていただくことになるでしょう。
それにもかかわらず、私たちが推奨するキャンペーンは、効果的な予算の割り当てとキーワードの管理を可能にするため、顧客にとって最も有益な選択肢の一つとなります。
無駄な予算の使用を最小限に抑え、効果の高いキーワードに重点を置いた広告キャンペーンを設計し運用するため、企業の求めるニーズに応えることができます。
私たちが日米で運営しております広告配信プラットフォームV.O.X(*)ではこの手間かかかる点にも対応しておりますので今後選択肢の一つとしていただけますと幸いです。
(*参考:「ASOの限界を超えてオーガニック成長を最大化|V.O.X)
今回は「ASA広告運用の理想のキャンペーン構成」というテーマについて進めてきましたがいかがだったでしょうか。
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それでは今回のまとめに入らせていただきます!
まとめ
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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